競馬の夢が弾けて後、今度は株に興味が湧きました。何故株だったのかは覚えていません。まあ副収入の探求という流れでは当然の対象だったのでしょう。

株と言えども私が求めるスタイルは、恣意的な判断をせず機械的に売買を繰り返して利益をだすものです。この意味でファンダメンタル分析はありませんでした。必然的にテクニカルを勉強します。そこで幸か不幸か、斉藤正章さんの「「株」勝率80%の逆張りシステムトレード」に出会います。今まで意識はしてこなかったんですが、自分のアプローチが "システムトレード" と言われるものを初めてしりました。システムトレードをもっと詳しく説明すると過去のデータから売買ルームが有効かどうか検証して究極的には裁量取引を完全に排した自動取引を実現するものです。売買ルールは、極めて具体的・厳格なもので例えば、"終値が25日移動平均線を上抜けしたら買い、下抜けしたら買い"のように、100人がやっても同じ結論になるものを言います。

早速検証に取り掛かろうと思ったのですがツールが見つかりません。競馬の時にVBでオッズ解析ツールを作った経験を活かして、自分でスクラッチで作ろうかと思いましたが、あまりにも大変なので無償ツールを探すことに。探した結果 Omega Chart というツールを見つけました。無償の割には一通りの検証ができ大変重宝しました。作者の岡島さんは現在もご自分の会社でソフトウェアを作っています。

http://www.omegachart.org/
http://okajima.air-nifty.com/b/

検証をして得た感想は、ロスカットは大きめ(究極的にはロスカットしない)ほうが PF はよくなる。JCOM男で有名な B.N.F の投資手法「移動平均線乖離率」は収益が良い。といったもの。まあここに書いてあるのは大雑把なものだけですが。

ここで問題が一つ起こります。

ルールの検証は良しとして売買対象の会社の絞り込みをどうするのか?という問題です。勿論、時間さえかければ上場企業すべてを売買対象として検証を実施する事ができますが、実際には売買できません。(対象が多すぎるので)そこで、どういう基準で絞り込むかが問題になります。業種別?東証1部上場だけ?225採用銘柄だけ?ルールの検証パターンと売買対象企業のパターンを組み合わせると検証の数が膨大になります。

ここで、またまた一冊の本に出会います。いちのみやあいこさんの「1日5分で超カンタン!“株&日経225”システムトレードで大儲けする本」この本で初めて日経225先物を知りました。ちなみに説明すると日経225先物は大阪証券取引所が扱っている商品で日経225指数を対象とした先物商品です。物理的に225にリストされている会社の株を買うのは大変な作業と手数料ですが、その指数を1つ買えば同等の効果になります。225に特化して検証してしまえば、先程の売買対象会社をこれ以上悩む必要がなくなります。
*ちなみに現在では ETF(上場投資信託)で 225 も TOPIX も買えます。先物にする必要はありません。

この本には売買ルールも書いてあり、Omega Chartで検証したところ中々いい結果になりました。賛否両論ありますが一般に売られている本の売買ルールがある程度有効というのは凄い事です。売買ルール自体は単純なのでエクセルに式を埋込み、さらに多少カスタマイズして実際に日々お金をかけずにシュミレーションする事にしました。が、上手く行きませんでした。以下理由と思われること

1: 年単位でトータルで利益が上がるとはいえ、1ヶ月経って損失の場合は精神的に厳しい
2: 負けが続いた場合、それがドローダウンなのか、ルールが破綻しているのか分からない
3: カーブフィッティングで過去の検証結果が良く見えてしまう

自分の性格上、6割程度の勝率で 2週間単位でプラスになっていないと辛いです。

裁量取引を否定しているくせに、あるトレーダの取引手法も勉強しました。PE-YAN という名前でブログを書いていますが、最近は全く更新していません。

うだつの上がらない成績の中、またまたある出会いが起こります。今度はツールです。トレイダーズ証券の Trade Stadium です。当時は預り資産が10万円あれば無償で使えました。スクリプトも簡単で、なお且つ完全自動取引ができるツールでした。検証面でも良いユーザビリティーで今までんないスピードで検証する事ができました。

しかし・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

やっぱり上手くいきませんでした。

思った事

1: 売買回数が多いのでスリッページや手数料が馬鹿にならないです。
2: フォワードテストを実施してもやはり稼働後に収益が落ち込みます。
3: 最終的に自分自身で「このストラテジ(売買ルール)が上手く動くという根拠はなんだろう」と自問自答しはじめて自信がなくなりました。
4: 例え今上手くいっているストラテジがあったとしても未来永劫上手くいくとは限らない。その場合は撤退する時にはすでに結構な損失が予想される。前述の通り損失が出始めた時、それがドローダウンなのか、ストラテジの破綻なのか、なかなか区別がつかない。そうこうしている内に損失が膨れる。

フォワードテストもしっかりやったのに稼働後、損失が膨らむのを見ていくと、自分が何か超越的な存在から罰せられている様な気がしてきます。

結局成功はしなかったものの、アドバイスがあるとすれば

1: 複雑過ぎる売買ルールは破綻するのが早いです。
2: PF だけに注目すると累積損益の振れ幅が大きくなる時があります。
3: 売買頻度はとても難しい問題。頻度が多すぎると手数料・スリッページがふえるし、少なすぎると、そもそも大数の法則が効いていないわけだから安定した理論値とはいえません。

大きな疑問

そもそもシステムトレードが本当に上手くいくと仮定した場合、その売買ルールは大手金融機関等ビッグプレイヤーに既に見つけられているはずなので、個人投資家が儲けられる鞘は無いのではないでしょうか?


私のZeke運用記録


トレンド追従型EA Zeke
Zeke
Zeke | fx-on.com